保険用マイクロサービス・プラットフォーム:ガイドブック

保険用マイクロサービス・プラットフォーム:ガイドブック

保険用のマイクロサービス・プラットフォームは、まるで捉え所の難しいキーワードです。

ITの担当者やビジネス側の人でも、これを読めば、「マイクロサービス・プラットフォーム」が詳しく知り、それが保険会社のビジネスを強力に推進する絶大な武器になることを熱く語れるようになるはずです。

本ガイドは、「第1部 – シンプルな理解」と「第2部 – より深い理解」の2つのセクションに分かれています

このように分けているのは、第1部でまず各読者に、「なるほど、そういうことか」と納得できる新しい発見をしてほしいからです。 しかし、「なるほど」と思える瞬間があっても、その瞬間にすべて語られることはほとんどありません。第2部では、新しいテクノロジーの利点を理解したつもりが、実際はまだまだ奥が深く、変化に対応するための「やるべきこと」と「やってはいけないこと」を認識する必要があることを説明します。

第1部 シンプルな理解 –  マイクロサービス・プラットフォームとは何か?

バズワードの一つとして、プラットフォームエコノミーやギグエコノミー、シェアリングエコノミーといった言葉を耳にすることがあると思います。それぞれの言葉の正確な意味を定義することはできないかもしれませんが、Uber(タクシー)、Airbnb(宿泊施設)、Facebook(メディア)、Spotify(音楽)、Netflix(映画)など、いくつかの優れた例を挙げることはできます。

つまり、私たちの出発点は、正にここにあるのです。

非常に大きな成功を収めているこうした優良企業はいずれも、ある「シンプル」なことをやってのけています。 古いアイデアを取り入れながら、シンプルな方法でプロバイダーと消費者の間のやりとりの効率性を飛躍的に向上させたのです。

それぞれの事業分野のパイオニアであるこうした企業がそれを実現できたのは、デジタル化された再利用可能なマイクロサービスを豊富に備えたプラットフォームを使用することで、スケールアップ、マーケットの拡大や固定費をほぼゼロに近づける低コスト化を可能にしたからです。

実際、最新のプラットフォームで成功している企業のほとんどは、マイクロサービスを使って構築されており、その代表的な例がNetflixです(2)(3) 。だからこそ、それが一体全体、何を意味するのかを理解するために、少し時間をかけてみましょう。

このITトレンドがこれまでのシステムと概念をどのように破壊したかを見れば、その可能性を探ることは理にかなっています。

大きな疑問は、これをどのように保険に応用できるかということです。

その仕組みはどのようになっているのか?

マイクロサービス・プラットフォームが保険会社と消費者の間のコミュニケーションを飛躍的に向上させるというゴールを目指す場合、何をすればそれが可能になるのか、つまりその理由は何なのか?

その理由は、マイクロサービス・プラットフォームを使えば、最小限のコーディングで新しい機能を簡単に作成でき、それを迅速かつ経済的に行うことができるからです。 つまり、ほぼゼロコストで保険商品を作り、販売チャネルやパートナーに関連サービスを提供することが可能になるのです。

さらに、コストの削減は、新しい市場セグメントへの参入の妨げになる従来の価格障壁を取り除くことを意味します。 価格を下げられれば、商品を直接および/またはパートナーを通じて売り出す新たな可能性も広がっていきます。

第2部では、さらに深く掘り下げていきます。

これはいつ起こることなのか?

このトレンドはまだ始まったばかりです。なので今から始めれば、成功するチャンスは非常に高いです。

プラットフォーム経済のトレンドはあらゆるビジネスに波及しており、遅かれ早かれ、保険ビジネスでもマイクロサービス・プラットフォームが広く導入されるのは必然だと考えています。 問題は、それがいつ、どのように起こるかです。本ガイドを手にした皆さんがこの後どのように行動し始めるかによって、その時期が早まる可能性もあるということです(この点については第2部「高度な理解」で後述します)。

このガイドでは、なぜそれが正しい見方であるかを説明し、その先にあるビジネスチャンスにスポットライトを当てます。

世界の一部の地域、例えばアジアでは、大規模なプラットフォームを保険商品の販売に積極的に活用されており、この市場で起きている成功と失敗から多くを学ぶべきことができます。 より身近なところでは、ヨーロッパで、2017年11月にスタートしたMoonshot(4)の例がありますが、その他の導入事例となると、現時点ではまだそれほど多くありません。

導入事例がもっと早く増えないのはなぜか?

保険業界でこうしたプラットフォームの導入プロセスがあまり脚光を浴びないのには、3つの理由があります。

1番目の理由としては、マイクロサービス技術を保険に適用するのは非常に先進的な発想であるため、どうしても時間が掛かるということが挙げられます。まだ多くの保険ビジネスの関係者は、他のビジネスで採用されたこの優れたアイデアをどのように保険業にも適用できるかを思案しているところです。

2番目の理由としては、こうしたプラットフォームのコストがこれまでの保険システムの半分以下で済むため、それがある意味、これまであまり熱心に推進されてこなかった要因だと理解することができます。この種の画期的なテクノロジーは、既存のIT企業の既得権益や収益モデルを破壊することになるため、大半の大手コンサルタント会社やソフトウェア開発会社は、積極的に導入を進めることを躊躇しています。

3番目の理由としては、導入に至るまでの開発難易度があります。ソフトウェア会社は独自のコードベースをリエンジニアリングして書き直し、マイクロサービスに変換して、そこからプラットフォームを構築し、お客様に販売する必要があります。 これは、何百万行ものコードを、マイクロサービスと呼ばれる細分化された機能に分解することを意味します。 これには、多額の資金投資と長期に及ぶ開発の両方がそれなりに必要になります。

マイクロサービス・プラットフォームがもたらす潜在的な影響は?

アジアの例をベースに判断すると)保険会社と消費者双方にとって、保険の仕組みが根本から変わってしまうことになると言っても過言ではありません。

保険金請求業務用のAI、契約内容を処理・記録するためのブロックチェーン、引受業務用のAIなど、新しい技術的試みが数多く生まれています。そうした中で、なぜマイクロサービス・プラットフォームは注目に値するでしょうか? 理由は簡単で、マイクロサービスはこれらすべて、そして他のほとんどの機能を接続し、設定可能な方法でリンクさせることができるからです。

「設定可能」というのがポイントで、従来であれば同等の機能をコード化しなければならなかったからです。 設定可能であることは、コーディングの手間を省き、時間と経費を削減することを意味します。その結果、新しい保険商品を素早く作成し、新しい市場にほぼゼロコストで配布することができます(最初のセットアップは別として)。

マイクロサービスとは、ある単位でまとまった機能のかたまりのようなもので、APIと呼ばれるシンプルなインターフェースを通じて、他のマイクロサービスに設定したり、接続したりすることができます。

概念的には、「デジタルなレゴブロック」といえば近いかもしれません。

保険プロセスの機能を構成する個々のマイクロサービスを統合するマイクロサービス・プラットフォームは、そこからあらゆる保険商品と業務やビジネスプロセスを構築したり、接続したりできるようにします。

先進的なソフトウェア会社は、このようなマイクロサービスのデジタル・ライブラリーを作成し、これらを組み合わせて「マッチング」させることによってユニークで独自性のある保険プラットフォームをすぐに作成することもできるようになっています。既存の保険システムに変更を加えようとする場合と比較してみてください。

もしあなたが、独自のマイクロサービス・プラットフォームを持つことには関心があるものの、ITの専門チームも潤沢な資金も持っていない場合でも、これは最適な方法になります。即ち、そのような保険会社でも、プラットフォームを借りて、それを自分たちの要件に合わせてカスタマイズする方法を取れるのです。

それをできるようにするためには、保険システムに対する考え方を新たにする必要があります。

1. コストの大幅な削減

私たちは、エンタープライズソフトウェアシステムが、見積もりから保険証券の発行、保険金請求の処理まで、エンドツーエンドの管理プロセスを一手に引き受けてくれる、という風に考えることに慣れてしまっています。また、このシステムには通常、10数億円の価格が提示され、サポートと保守のために多くの費用が必要になる、ということも当たり前だと思うようになっています。何も、これらのシステムが役に立たなかったと言っているわけではありません。これまで、それより良い選択肢が他になかっただけのことです。

今は違います。私たちは旧価格の20〜30%に実現できる新しいシステムの構築、新しいモデルの導入、さらに新商品、チャネル、サービスの単価をほぼゼロにする大幅なコストダウンに向けて考え始めることができるようになり、そしてそうなるべきです。

2. 市場投入のスピードアップ

マイクロサービス・プラットフォームの導入が広まるにつれ、ビジネスの状況が変わってきています。巨大なスパゲティコードのかたまりの代わりに、機能を設定可能な単位にまとめ、自己完結的な要素に細分化できるようになったからです。これは画期的なことです。なぜなら、あらかじめ構成された小さなかたまり(マイクロサービス)を組み立て直して、様々な機能を作り出すことができるからです。レゴブロックのデジタル版だと想像してみてください。

これからは、数ヶ月、数年ではなく、数日、数週間でプロジェクトを展開することを考えていかなければなりません。

3. 市場調査の拡大

マイクロサービスの導入に成功したユーザーは、APIを利用できるビジネスパートナーを通じて、マーケットを拡大していることは前述したとおりです。

あなたが作成した機能はすべて「あなたのプラットフォーム」上に存在し、あなたのプラットフォームはAPIを通じて他のプラットフォームと対話することができます。このメリットの大きさを言葉で表すのは難しいのですが、確実な一歩前進であることには間違いありません。

例えて言うなら、光ファイバーブロードバンドと以前のメタルケーブルネットワークとのスケールとスピードの違いを考えてみてください。 ただし、この例えの場合、データを送信するだけでなく、プロセスも送信することになるのがポイントです。

「シンプルな理解」セクションのまとめ

マイクロサービスでは、最小限のコーディングで新しい機能を簡単に、しかも短時間で作成することができます。これはつまり、商品やパートナーとのインテグレーションやサービスをほぼゼロコストで作ることができることを意味します。 また、プラットフォームを相互に接続することで、新たな市場を直接、あるいはパートナーを通じて、コスト効率よく開拓することができます。これは、保険の分野ではゲームチェンジャーになり得るといっても過言ではありません。

逆に、もしあなたがマイクロサービスの独自のプラットフォームを持っていないなら、同じ効果を得るために複数のシステムをカスタム・コーディングするという厄介な問題から抜け出せなくなります。しかし、そうするしかありません。なぜなら、当時は良かったこれらの古いシステムはあまりにも硬直的で、本当に必要な機能のサブセットだけを残したくても、使われることがない冗長なコードを除外する方法がないからです。

第2部 – 高度な理解

第1部では、マイクロサービス・プラットフォームが、他のビジネスのプラットフォーム所有者が行っていることを真似れば、保険会社にとって破壊的に強力なツールとなる可能性があることをお伝えしました。その可能性とはつまり、マイクロサービス・プラットフォームは、プロバイダーと消費者の間のやりとりの効率を飛躍的に向上させることができることを指しています。

第2部では、マイクロサービスがなぜ重要なのか、そして、その利用の仕方を慎重に考えなければ、思わぬ罠にはまる恐れがあることします2つのストーリーをご紹介します。1つ目は「蒸気機関から電力へ」、2つ目は「Netflixの保険版」と題したストーリーです。

「蒸気機関から電力へ」から私たちは何を学べるのか?

いま起ろうとしている変革は、100年ほど前に、工場の動力が蒸気機関から電力に取って代わられた時に起きた大変化に匹敵します。 当時、大手企業は自社の動力を次第に蒸気機関から電力に切り替えていきました。その重い決断を下した企業の動力に関わるコストを20〜60%削減することができました。(この差は、現在の企業向けソフトウェアとプラットフォームのコスト比率に匹敵します。)

しかし、これは果たしてハッピーなストーリーだったのでしょうか?実は、そうではありませんでした。驚くべきことに、これらの企業のほとんどは、その後倒産してしまったのです。なぜかというと、削減したコストによる価格競争だけでは勝ち抜けなかったからです。 電力のメリットを理解した賢い企業は、これまでの大規模で単一商品しか作れなかった工場の生産ラインをやめ、複数の商品ラインが作れるように分散させることができることに気がつきました。 つまり、より競争力のある新商品を作ることが自由にできるようになったことです。

なぜなら、以前は工場全体が1台の蒸気機関で動かされていたためです。このたったひとつの蒸気機関の力は、車軸、車輪やベルトを通じて工場全体に影響を与えていました。しかし、電力の出現でたくさんの個々のモーターで、様々な種類の製品製造用に設定された遠隔地の生産ラインを個別に動かすことができるようになりました。

興味深い歴史の授業はここまでですが、この歴史は私たちに何を語りかけているのでしょう?電力を使えば、生産ラインの改善が格段に容易となり、ランニングコストも安くなるということは、今では当たり前のことですが、当時はこれに気が付く企業は多くありませんでした。そして、これにビジネスチャンスを見出すことができたのは、ごく限られた賢い企業だけでした。ほとんどの企業は、工場内にある唯一の蒸気機関を電力装置に置き換える際、以前と全く同じ場所に設置しました。

そして、これらの柔軟な発想ができなかった企業は、電力を物理的に固定せず、分散して配置し、柔軟に個々で動く生産ラインに持つことによってビジネスチャンスが広がることを見逃さなかった賢い企業と競争することになり、結果的に倒産してしまいました。 それは、ほとんどの企業が、それまで生産ラインは単一で固定電源から電力が供給されることに疑問を持たずに、電力の恩恵を正しく理解しなかったからです。

勝ち残った企業は、その大きな蒸気機関の動力が全ての歯車やベルトの動きに関わる大きな工場を改善したいと思う企業でした。だからこそ、新しい時代の競争に勝ち、市場で大きな存在感を示すことができるようになりました。

この話から得られる教訓は、私たちが生活や仕事上の経験を通じて、ある種の考え方をするようになり、そこに固執すると、新しい技術の本当の利点を見抜きにくくなる、ということです。 しかし、新しい世代が登場したとしても、古い思考パターンを元に戻す必要はありません。目の前にあるものを受け入れ、最大限の価値を発揮できるように展開すればいいだけです。

マイクロサービス・プラットフォームの話はこれに非常によく似ており、単にコスト削減のためだけではないことを認識する必要があります。

「Netflixの保険版」から私たちは何を学べるのか?

NetflixとHMVについて少し考えてみましょう。数年前であれば、HMVのように物理的な棚にDVDを商品として映画や音楽を販売するビジネスを成功させてきたショップチェーンが、仮想化したネットワークを通してスマホやPC、タブレットでも利用できるデジタルサービスに取って代わられるとは想像もできませんでした。

しかし、本当のゲームチェンジャーは、この「プラットフォーム」がNetflixだけでなくNetflixのパートナーを通じて提供され、それによって飛躍的にユーザーに提供できる可能性を拡大することができたことです。例えば、PlayStation、XboxやApple TVなどを購入した時のことを想像してみてください。あなたはその際、Netflixを買う意図はなかったにもかかわらず、Netflix を利用できるようになっています。もし、あなたの会社の保険商品で同じようなことができるとしたらどうでしょう?

Netflixは基本的に、同社が販売したいデジタル製品をパートナーの物理的な製品に埋め込んでいるのです。そこが重要なポイントです。このコンセプトを保険に当てはめてみましょう。保険会社は、例えば、自社が取り扱っている旅行保険を電車や飛行機のチケットの中に、自動車保険を新車販売契約の中に、保証書は新しい家電の取扱説明書の中に、生命保険を新家購入契約の中に埋め込んで販売できるようになります。

この段階で、Netflixよりも歴史が長い保険会社の中から、これまでもすでにこの方法(B2B2C)で販売してきた、と反論する声が聞こえてくるかもしれません。確かにそうかもしれません。ただし、ここで重要なのは、史上初めて、リアルタイムで獲得したユーザーの評価によって新商品を作り出し、商品を改良することがほぼゼロコストで実現し、全てのパートナーに対応させることができるようになった、ということです。つまり、これは物理的な商品やサービスの中に保険を組み込むという、経済的に実現可能な新しいビジネスチャンスが非常に多くあることを論理的に示唆しているのです。

デジタル保険商品を作り、それをパートナーの物理的な商品(またはサービス)にほぼゼロコストで組み込むことができれば、新しい市場セグメント(またはマイクロセグメント)への参入を阻む価格障壁はなくなります。

ここまでの理解をまとめますと:Netflixは、1)物理的な媒体だった映画をデジタル化し2)それらをマイクロサービス化して、デジタル映画ではなく、デジタル映画サービスそのものを提供するようにし3)そのサービスのUI/UXを即座に改善し4)インターネットを通じて、あらゆるデバイスやXboxなどのパートナー製品で直接利用できるように普及させました。

そして最後に、Netflixにこれだけのことをできるようにしたのは、マイクロサービス・プラットフォームに他ならない、という事実が重要なポイントです。

Netflixは今や誰もが知っている、素晴らしい成功事例です。同社が確立したビジネスモデルを深く分析すれば、マイクロサービス・プラットフォームをどのように保険業にも活用できるかを知る上で、多くのヒントが得られるはずです。

第2部のまとめ

上記のストーリーから得られる重要な学びを挙げるとすれば、それは独自の保険マイクロサービス・プラットフォームを持つことを今後考える意向があるなら、そのメリットが単にコストを削減することだけではない、という認識の下で検討を進めるべきだということです。 また、「蒸気機関から電力へ」のストーリーから学ぶものがあるとすれば、それはコストを節約するためだけにプラットフォーム戦略を採用しても、実際には企業の価値と勝ちにつながらないということです。なぜなら、賢い企業がコスト面だけでなく、違う価値を見つけることで、市場全体の仕組みまで一変させる(破壊してしまう)画期的な手法を独自に確立し、ゲームチャンジャーとして利用するからです。

そのコツは、時間が経って振り返った時に分かるのですが、「蒸気機関から電力へ」のストーリーに出てきたような「新しい生産ラインを構築」(新しい価値を創出)する方法を見つけることです。つまり、メーカー(保険会社)が、ビジネスの細分化するユーザーを開拓するのに有効な新しいタイプの商品を作り、その生産ラインをより多くのパートナーと共有し、商品が届く市場の範囲を広げることができる能力を開発することです。別の言い方をすれば、独自のプラットフォームエコシステムを構築し、それを所有することです。

今までは異なる複数のITシステムを連動させることが困難すぎて、考えることすらやめてしまっていたような問題でしたが、マイクロサービスではこれを非常に容易に実現できるようになりました。そこが大きな違いです。

最後に、ここまで語ってきたことをビジネスにどう応用するべきかについて考えてみたいと思います。

ではここで、お使いの保険システムの状態の良し悪しは関係なく、上記のNetflixのストーリーを、皆さんそれぞれのビジネスにどのように当てはめられるかをちょっと想像してみてください。

Netflixのように個人がログオンできる保険プラットフォームが提供されます。そしてそのプラットフォームからは、映画のサービスに代わって、あらかじめパーソナライズされた保険システムのマイクロサービスで構成するオンデマンド型の保険サービスにアクセスできるようになります。こうしたパーツの組み合わせを変えて新しい商品を作り、既存または新規のデジタルパートナーを通じてその新商品を販売し、エコシステムを拡張することができます。

本ガイドブックで学べる保険用マイクロサービス・プラットフォームについて

  • Airbnb、Facebook、UberやNetflix などのプラットフォームオーナーにとって、プラットフォームはとてもうまく機能しているIT戦略であり、武器であることに疑いの余地はありません。
  • こうしたプラットフォームを使えば、プロバイダーと消費者の間のやりとりの効率を飛躍的に向上させることがわかってきました。
  • プラットフォームとは、デジタル化された再利用可能な機能の集合体であり、スケールアップやユーザ接点の拡大や単価をほぼゼロに近づける低コスト化を容易に実現可能にします。
  • これらのプラットフォームの基盤となるITは、設定可能な小さなコードの集合体であるマイクロサービスです。
  • 実際のコーディングにはかなりの時間とコストが掛かるため、設定可能であるということが大きな意味を持ちます。
  • マイクロサービスはそれぞれを繋げてチェーン化し、他のアプリケーションからAPI(例:e.g. Moonshot(4))を介してアクセスすることができます。
  • 保険に適用できる優れた成功事例を知りたいなら、「Netflixの保険版」を参考にするようにしてください。

参照文献

  1. Machine, Platform, Crowd: Harnessing Our Digital Future, Andrew McAfee Erik Brynjolfsson, June 27, 2017, W. W. Norton & Company
  2. [Honey, I Shrunk the Services] Microservices in Insurance, Craig Beattie Tom Scales, 15 December 2017, Celent
  3. ‘From Netflix to insurance: the latest big thing in tech’ about Microservices and their potential significance to the Insurance Industry, Lucy Hook, January 2018 Insurance Business https://goo.gl/KR23Vj
  4. Moonshot Press Release, SociétéGénérale November 2017 https://goo.gl/PLg5bN

著者 – ピート・ロバーツ

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