
InsureMOは2025年3月6日、テクノロジーでペット保険を革新するリトルファミリー少額短期保険とともに、世界最大級のInsurTechイベントである「ITC Japan」に登壇しました。「時代を味方につける保険エコシステムはこうして創るInsureMOのモダンテクノロジーと歩むリトルファミリー少短の軌跡 ~巨大ECと連携したペット保険~」と題し、保険会社が抱えるシステムの課題やエコシステムを構築するためIT戦略について語りました。

[登壇者](左から)
司会 古瀬 絵理アナウンサー、InsureMO 河上 勝 代表取締役、リトルファミリー少額短期保険 板谷和彦 代表取締役、山里 一輝CTO、顧客価値創造部 大島 将 部長
ペット保険業界の革新を目指す

今日のペットブームのなか、大切な家族の一員であるペットの健康を守る保険へのニーズは高まっています。しかし、ペット保険の普及率は未だ20%弱に留まっているのが実情です。ミッションとして「すべての“ちいさな家族”を守る 保険と医療サービスの当たり前化」を掲げるリトルファミリー少額短期保険は、デジタル技術を駆使してより使いやすくよりお手頃にペットの飼い主のみなさまに保険をお届けすることを目指しています。そのためには、DXを起点に保険の事業構造を変革することが必須となっており、協働するプラットフォーム選びにもこだわりました。
大手ECとの連携で実現したスピード開発

リトルファミリー少額短期保険は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の子会社として国内最大級のペットメディア を運営する株式会社PECOをマーケティング・パートナーに迎え3年半前に設立されました。同社は、保険料の安さと補償の手厚さを両立した「わんデイズ・にゃんデイズ」に加え、大手ECとタッグを組んで提供する「わんにゃん安心保険」といった画期的な商品を次々と展開しています。一般的に保険会社はシステムが重厚で、外部企業と連携した取り組みは非常に難しいといわれています。そのなかで、リトルファミリー少額短期保険は、わずか8ヶ月という驚異的なスピードでサービス開始にこぎつけました。背景には、InsureMOのデジタル保険プラットフォームの活用があります。
DXを支えるポイント:①API②マイクロサービス③アジャイル開発

スピード感のある開発体制を実現した背景には、APIやマイクロサービスアーキテクチャ、アジャイル開発という3つのアプローチがありました。InsureMOはAPIライブラリが備わっており、容易に外部連携を実現することができます。また、マイクロサービスアーキテクチャを採用することで、システム改修や新商品開発時の柔軟性とスピードを高めています。さらに、アジャイル開発手法を導入し、ビジネス部門と開発部門が密接に連携することで、顧客ニーズへの迅速な対応と高品質なサービス提供を可能にしています。
保険会社の課題として挙げられるのが①組織文化②開発プロセス③レガシーシステム―ではないでしょうか。スタートアップから大企業まで様々な立場でシステム開発に携わってきた山里CTOが実際の取り組みを解説しました。
組織文化の課題:
硬直的な文化が特徴としてある。当社では、開発過程への現場社員の積極的な参加を促進している。部門間のフラットなコミュニケーションを重視し、一体感のある組織文化を醸成することで、迅速な意思決定と柔軟な対応を実現している。
開発プロセスの課題:
従来のウォーターフォール型開発から脱却し、アジャイル開発手法を導入している。機能単位での開発とリリースを繰り返すことで、開発スピードと品質の向上を実現している。迅速な検証とリリースサイクルを確立することが重要だ。
レガシーシステムの課題:
既存のモノリシックなシステムから、マイクロサービスアーキテクチャへの段階的な移行を進めている。既存システムの利点を活かしつつ、新たな技術を柔軟に取り入れることで、全体的なコスト削減と価値向上を図っている。また、既存のSaaSサービスを活用することで、開発効率の向上とリソースの最適化を実現している。
DX成功のカギ「ビジネスと開発の一体化」
リトルファミリー少額短期保険のDX成功の鍵は、ビジネス部門と開発部門の緊密な連携、そしてInsureMOとの協働体制にあります。従来のベンダー任せの開発スタイルから脱却し、共にシステムを作り上げていく文化を構築することで、顧客価値の最大化を実現しています。
リトルファミリー少額短期保険は「これらのDX推進のノウハウを業界全体に共有することで、ペット保険業界のさらなる発展に貢献したい」と話します。デジタル技術を駆使し、顧客中心のサービスを提供することで、ペットと飼い主のより良い未来を創造していくというビジョンを多様な手段で実現していきたいという考えからです。
本セッションでは、リトルファミリー少額短期保険のDXへの取り組み、そしてその成功要因について具体的な事例を交えて紹介されました。受講者からは、業界課題に対応したソリューションを詳しく聞きたいと手が挙がったほか、開催後には多くの方が個別質問のために登壇者のもとに集まりました。保険業界全体にとって、多くの示唆に富む内容だったといえるでしょう。
リトルファミリー少額短期保険では、新たに飼い主の“もしも”のときに愛⽝・愛猫を守る「みらいの約束」をリリースしました。飼い主がご自身の病気や死亡といったやむを得ない事情で愛犬・愛猫と一緒に暮らせなくなったとき、“ちいさな家族”である愛犬・愛猫を保護団体へ託し、その先の永く幸せに生きる未来を守るという業界初の保険サービスです。
テクノロジーを生かし、新たな保険の可能性を創出するリトルファミリー少額短期保険の取り組みに今後も注目が集まります。
[ITC Japanについて]
InsureTech Connect(ITC)は2016年に米国ラスベガスで初めて開催されて以来、保険業界におけるイノベーションと変革のための世界最大のイベントであり、多くの保険業界の人々が集結する場です。ここ数年で、ITCブランドは2021年にアジア太平洋市場、2023年にLATAMと欧州市場に拡大してきました。InsureTech Connectでは、単なるプラットフォームにとどまらず、業界を牽引するリーダーたちとの有意義な対話を促進し、保険業界の成長を共に加速させることにコミットしています。
2024年、日本国内市場に焦点を当て、同時にグローバル企業を紹介するITC Japanの第1回イベントがPlug and Play Japanと共に立ち上げられました。すべてのセッションは日本語と英語で行われます。国内外、大手保険会社を代表する業界のリーダーや専門家、スタートアップによるコンテンツをご提供しています。