[金融庁登壇]日本の保険イノベーションをご紹介するセッションでモデレーターを務めました【インド開催・セミナーレポート】

InsureMOは、インドで開催された「InsurTech Association 3rd Annual Event」のパネルディスカッション「日本・インドの保険提携ストーリー(The India-Japan Insurance Collaboration Story)」でモデレーターを務めました。

本セッションの一部をご紹介します。
主なテーマとして、国境を越えた協力やイノベーションについて話し合われました。日本では、高い保険普及率が特徴的とされています。インドでは斬新なサービスが発達する一方、保険格差が課題となっています。日本の保険業務のキーパーソンである登壇者は、デジタルと保険イノベーションの育成において、多様なグローバル経験を持ち寄りました。

インド経済は、4,000億ドルから4兆ドルへと成長するといわれています。保険の未開拓層として、農村部など十分なサービスを受けていない層が挙げられます。普及のカギとして考えられるのがEmbedded Insurance(組込型保険)です。インドのようなコストに敏感な市場では、パーソナライゼーションとスケーラビリティの両立が課題となっています。デジタルツールとAIは、効率的な引受、販売、顧客教育を実現します。

金融庁から並木氏が登壇し、日本の保険業界の現状認識を紹介しました。
「日本の保険市場は成熟しており、世界市場と比較しても浸透率が非常に高い状況です。しかし、日本のInsureTech市場はまだ発展途上。成熟した保険市場と比較すると、まだ発展の余地があります」と説明。「日本の保険会社が直面している状況は非常に厳しいものであり、ビジネスモデルの変革が進行中です。具体的には、日本は超高齢社会に直面しており、高齢化が進む一方で出生率が低下しています。また、自然災害がより頻繁かつ深刻化しており、自動車保険市場も縮小しています」と指摘し、「今後10〜20年にわたる持続可能なビジネスモデルを構築する必要です」と考えを示しました。

こうした課題に対して「技術が新しいビジネスモデルを支える重要な役割を果たす可能性があります」と語るとともに、金融庁がInsureTechの活用を推し進めていることを紹介しました。

さらに、各登壇者から様々な視点から意見が交わされました。朝日生命の逸見氏は、インドの今後の市場成長への期待を語るとともに、自身の業務を通じた農村向けの保険展開などを紹介。生活に根付く組込型保険がより普及していく可能性を提示しました。三井住友海上の飯島氏は、保険の空白部分を埋めるための取り組み姿勢を解説。ディセンタライズされたディストリビューションがますます重要になっていると述べました。第一生命のStephen氏は、保険販売に携わる人々が金融リテラシーの向上に貢献してきた点を指摘し、インドでもこうした動きが出つつあると紹介しました。

終盤には、本イベントのテーマともなっている「2047年に向けたインドの保険ビジョン」については、日本の知見も活用しながら「インド独立100周年までに大幅な普及と金融包摂を達成する」ことが掲げられました。また、実現のためには、規制支援と官民パートナーシップが不可欠であることを確認し合いました。総括では、インドと日本の相互学習の重要性がより求められるとともに、インクルーシブな成長を推進するために、テクノロジーと革新的なビジネスモデルをさらに活用していくよう呼び掛けました。

市場環境の大きく異なる両国ですが、相互に学び合い助け合う余地が大きそうです。また、成熟する日本の保険業界にとっても、新興市場のインドの保険普及にとっても、InsureTechの活用が叫ばれているのは注目すべきポイントとなりました。
InsureMOはテクノロジーを通じて、「保険を簡単に」を実現してまいります。

モデレーターを務めた InsureMO Rajat Sharma CRO

[イベント概要]
開催名:InsurTech Association 3rd Annual Event
開催日:2024年11月20日
講演名:日本・インドの保険提携ストーリー(The India-Japan Insurance Collaboration Story)
講演概要:インドと日本の国境を越えたコラボレーションは、保険イノベーションをどのように形成しているのでしょうか。InsureMOのCROラジャット・シャルマがモデレーターを務めるこのディスカッションでは、業界リーダーによる洞察とともに、経済大国である両国のコラボレーションから生まれるチャンスとイノベーションについて深く掘り下げました。

登壇者: